羽田空港に到着し、そこで東京地検がゴーン会長を任意同行するとの情報をつかんでいた。
19日付の朝刊やその後の夕刊に「今日にも逮捕」と書かずに、東京地検がゴーン会長に接触したのを待ってデジタル版で速報した。朝刊や夕刊で事前に書かないことを条件に
東京地検から情報を得たのだろう。ネットをうまく使った特ダネだった

殺人事件などの発生ものと違い、汚職事件などの知能犯罪は大型事件になればなるほど、時間をかけて内偵捜査を行う。今回のゴーン会長の逮捕は日産の法務担当役員から内部情報を得た後、
数カ月間に渡って水面下での捜査を行い、逮捕まで漕ぎ着けたという。
その間、よく情報が漏れなかったと思う。東京地検だけならいざ知らず、捜査は日産の協力を得て行われた。捜査の中心はお金の流れだ。東京地検は国税庁や東京国税局にも協力を仰いだはずだ。それに羽田空港から任意同行したのだから、
空港を管轄する国土交通省にも事前に連絡していただろう。情報はどこから漏れても不思議でなかった。
なぜ、漏れなかったのだろうか。新聞社やテレビ局の記者の取材力が衰えているのかもしれない。経費の節減で「夜討ち・朝駆け」でも専用の取材車を使いにくくなっている社もあるそうだ。
記者が本来の取材ができなくなっている。そこが心配である。