リクナビ求人が行政から停止の可能性! ストライキの法的効果とは
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20181009-00099782/
今野晴貴 POSSE代表。雇用・労働政策研究者。

ブラック企業の求人を止める意義
次に、ブラック企業の求人の掲載を止める社会的意義について考えてみよう。

まず求職者にとっては、ブラック企業に就職してしまうリスクが減るというメリットがある。
多くのブラック企業は、求人段階では違法な労働条件を隠そうとするため、求職者がブラック企業を見分けることは難しい。
だが、労働の実態から、ブラック企業の求人を判別して求人の掲載を停止できれば、ブラック企業に騙されて入社する人は減るだろう。

また、まともな経営者にとっても、ブラック企業の求人の掲載停止はメリットが大きい。
ブラック企業の多くは、求人詐欺によって実態と異なる求人を出しているが、
そうした求人との人材獲得競争に晒されることを防げるからだ。

このように、違法な労働を強い、労働者の心身を危険にさらすブラック企業の求人の掲載を止めることは、
多くの人にとって利益になるだろう。

ブラック企業への対抗手段
日々、労働相談を受ける私の目線からは、ブラック企業の被害は一向に減っていない。
そのような中で、労働者がストライキによって当該企業の求人を止める戦略は、ブラック企業に対する有効な対抗手段となりうるだろう。

それというのも、ブラック企業は、大量採用・大量離職を前提に、違法で過酷な労務管理を行っているのだが、
求人の掲載停止により、前提となっていた大量採用ができなくなれば、こうしたビジネスモデル自体が成り立たなくなるからだ。

ストライキとそれに伴う求人の掲載停止は、ブラック企業の経営者に、ビジネスモデルの転換を迫ることになるのだ。

日本の労働組合法では、職場に一人でも組合員がいれば、交渉権もストライキ権も行使できることになっている。
ぜひ、多くの被害者にブラック企業ユニオンのような誰でも一人でも入れる労働組合(ユニオン)に相談・加入し、
ストライキ権を行使することでブラック企業を改善してほしい。