俺、住んだ家が幽霊屋敷だったんだよね。
いた幽霊は高校生の男の子。最初は突然家にやってきた俺に驚いて、ポルターガイスト現象を起したり夜中に俺を金縛りにしたりして襲ってきたんだ。
俺も慣れないうちは怖かったから、俺に家を紹介してくれた友人Kに相談したりもした。
Kは誰彼構わず寝るようなだらしない奴だけど、霊能者の知り合いがいるとかでこういうときは頼りになるんだ。

でもそのうち、彼も段々心を開いてきたのか俺の前に姿を現すようになって来た。
学ランを着た可愛い男の子で、それも最初は俺を警戒していたのか、写真を撮ったら隅に心霊写真として映り込んだり夜中に半透明の姿で現れて俺を睨みつけたりしているだけだったけど。

段々、彼が俺にかける金縛りも弱くなってきた。最後には俺をじっと見つめるだけになった。
ある日、俺は思い切って少年の幽霊に話しかけてみたんだよね。彼も答えた。幽霊も話せるんだね。
それとも脳に直接言葉が来るみたいな感じかな?
何でも、彼は付き合っていた男に殺されてこの家の地下に埋められたらしい。
その後ずっと一人ぼっちでこの家に住み着いてて、寂しかったところに俺が来たんだとか。
彼とは、それから毎晩話した。俺も色々な話をしてやったし、彼も俺と話す時はとっても楽しそうで、出てくる時もはっきりと姿を現してくれるようになった。それで、変な話だけど、俺はいつの間にか、その子のことが好きになってた。

そんな話をKにしたら、Kは俺を心配してくれてるのか、凄く深刻な顔をして俺に色々聞いてきた。
少年の服装とか話した内容とかを事細かに。どんな幽霊か詳しく知って、危ない奴かどうかを判断していたのかな。

ある日、Kが霊能者を連れてやってきた。Kは俺を心配して少年を除霊に来たんだとか。
Kはもう凄い形相で、何が何でも彼を除霊する気らしい。
俺は彼と一緒にいたいから余計なおせっかいは辞めてくれと頼んだんだけど、聞く耳持たない。
せっかく好きな子が出来たのに、彼を除霊なんて絶対させられるものか。ま、その時は俺は必死で何とかその場を収めたんだけど。

ただ、困ったことに、その日から俺は三人の幽霊と同居する羽目になったんだ。