白鳥事件【しらとりじけん】
1952年1月21日午後7時40分頃、札幌市南6条西16丁目の路上で、自転車で帰宅中
の市警警備課長・白鳥一雄さん(36歳)が背後から自転車に乗った男から追い抜きざ
まに銃弾を2発受け、そのうち1発は心臓を貫通し死亡した。撃った男はそのまま自転
車で逃走した。警察は日本共産党関係者の犯行と断定して、同党札幌市委員会委員
長の村上国治らを逮捕、札幌地方検察庁も55年8月、村上とほか2人を殺人の共謀
共同正犯として起訴した。村上は、警察のでっちあげだとして無罪を主張しつづけた。
でっちあげか謀殺かで争われた裁判は57年5月、札幌地方裁判所が無期懲役の判決
されて確定している。63年、最高裁判所が上告を棄却して判決が確定している。直接
の実行犯は当時日本と国交が無い中華人民共和国へ不法出国して逃亡している。
時代の熱にうかれ、党の方針に従って一線を飛び越えた青年達。謀略との宣伝に乗
せられ、無実を信じて闘った支援者。共産党内の権力闘争によって、方針が変わり、
用済みになると見捨てられた。自業自得と言えばそれまでだが、なんと日本共産党は
罪深い存在であろうか。