堀田善衞を読む、宮崎駿監督
高志の国文学館で開かれている
高岡市出身の作家・堀田善衞の生誕100年特別展の会場では、
著名な作家などが堀田について語るインタビューが上映されています。
その言葉を紹介するシリーズ、
3回目の6日は、アニメーション映画監督の宮崎駿さんです。〜
宮崎駿さん
「精神的な最初のつっかえ棒は堀田さんですね」
「『空の空なればこそ』っていう随筆集が最後なんですよ。
 それだけ名前入りで僕にくれたんですよ」
「『空の空なればこそ』っていう
 旧約聖書の伝道の書について
 その前の本に書いていたくだりを、
 僕が堀田さんにあったときに聞いたんですね、
 僕不遜だから、本屋で旧訳聖書を立ち読みして
 『あれ無かったんですけど』って、
 あったのかもしれないけど、
 堀田さんが訳してくれたから本当にわかったんですね。
 で、それを言ったから『こいつはわかってないな』って、
 最後にもう一回書いてくれたのが
 『空の空なればこそ』っていう随筆だと思うんです。
 あれは僕は、いまでもしょっちゅうそこで開いていますけど、
 その、堀田さんの署名が入っているからいいんじゃなくて、
 本当に最後の『君たちはどう生きるか』ですよ」
「だから僕は、堀田さんの話になると
 涙目になるんですよダメなんですよ僕は、
 本当に…全然流行作家にならなかった人ですけど、
 でもなんか日本人も捨てたもんじゃないと
 思わせてくれた人ですね、スケールにおいても」〜
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