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2018年のセンバツ不選出、夏の香川県大会3回戦敗退により、
2019年の香川世代からは、2016年センバツ準V世代とはまた違う高松商がスタートしたように思う。

長尾監督自著、「導く力」より
2016年センバツで準優勝を果たしてから、甲子園に手の届かない年が2年(2017,2018年)続いた。
(中略)
表現は難しいが、私自身は、「良くも悪くもセンバツ準優勝の影響が大きい」と感じていた。俺たちは強いはずだから勝てるはずだ。2016年の先輩と同じことをやっていれば、勝てる。多少、トレーニングで手を抜こうとも、結果は付いてくる。実際、甲子園を逃した2つの代は、練習試合では強さを見せていた。決して力がなかったわけではない。それでも、結果的に甲子園に手が届かなかったのは、私の指導力も含めて、何かが足りなかったのだろう。
(中略)
2018年秋の(2019年)新チームが始まる時、旧チームから投げていたエース格の香川卓摩が私のもとにやって来た。
「長尾先生、もう先輩たちのように負けたくないです。練習から自分たちで手を抜かずにやっていきたい。長尾先生に頼るのではなく、自分たちでチームを作っていきたい」
(中略)
私のところに来る前には、チームメイトの家に集まり、新チームの方針について話し合っていたという。どうすれば、、甲子園に行けるのか、強いチームになれるのか。彼らは、2016年のセンバツ準優勝を間近では知らない世代である。知らないからこそ、本当に強い高松商を復活させるための方法を、真剣に考えてくれていた。
私にとっても嬉しいことだった。チームをマネージメントしていくのが監督の役割ではあるが、プレーするのは選手である。選手の心の中に、「自分たちでチームを作っていく」と言う意識がなければ、監督の指示を待つだけのチームになり、監督の思考を超えていくことはできない。