「指導者のなかで、僕ほどの“大阪桐蔭マニア”はいないかもしれません」

 須江監督はそう言って笑った。今年で39歳と、指導者として脂が乗ってくる年齢に差し掛かってきた。2019年夏、2021年春に甲子園ベスト8に導くなど、着実に実績を挙げている。

 センバツ後、一部で大阪桐蔭のスカウティング手法を批判する声も上がった。だが、須江監督は語気を強めてこう反論した。

「野球は人を集めたからといって勝てるような、そんな単純なものではありません。プロ野球だって大型補強をしたチームが必ずしも勝つわけではないことは、歴史が証明しています」