・国士舘高校
 ここ2年間、あまり勝ち星に恵まれていない国士舘。今春からは断腸の思いで指揮官を交代し、虎視眈々と再建を図っている。
 エースらしいエースは不在。その中で、最もエースに近いのは小笠原と鈴木だ。小笠原は最速140キロの本格派で馬力は十分、鈴木はキレのある変化球が武器の左腕で、投手陣では唯一、下級生時代から公式戦経験を積んできた。
 この2人を追うのは左腕の唐沢と斎藤。どちらも他校のエース格には劣るが、試合を作れる能力は十分にある。もう1人、春こそベンチを外れてしまったが、奪三振能力の高い2年生右腕・岡田にも注目したい。
 野手もそれなりに打てる選手が揃っている。やや安定感に欠けるがパワーのある伊藤、広角に長打を飛ばせる菊井、そして春はスタメンから外れたものの、ポテンシャルはチーム屈指の渡井など。特に渡井は旧チームから主力を任されてきた選手で、今夏のスタメン奪還に期待が掛かっている。
 その他にも、ミートの上手い澤村、非凡な打撃センスを感じさせる福、強肩強打で主将も務める石田などが並び、打線に関しては悪くはない状態まで仕上げてきた。後は投手陣が踏ん張れるか……と言った所だろう。
 以前は裏目に出てしまった監督交代。しかし、昨今の高校野球界隈では若い監督の活躍が見受けられてきている。今度こそ、前監督を越える活躍で引導を渡したい。