・佼成学園
 能ある鷹は爪を隠す……という諺があるが、それを体現しているのが今年の佼成学園だ。
 チームの看板選手は東京トップクラスのスラッガー・重藤。その打力は名だたるドラフト候補達とも遜色なく、また強肩を活かしたサードの守備にも定評がある。知名度こそ低いが、4年後はドラフト候補になっているに違いない。
 彼の前を打つ郷原と𠮷川もミートの上手い好打者だ。特に郷原の打撃センスは非常に高く、変化球を捌く能力は東京随一とも言える。下位打線にも大型捕手の青山などが並び、隙のない強力打線が完成した。
 投手はやや課題を残すものの、大貫と斎藤が秋から不動の二枚看板として機能している。大貫は打たせて取るタイプの左腕で、波に乗った時の投球は手が付けられない。ただ、球威に課題を残すのと、立ち上がりが非常に不安定なので、そこを叩かれると厳しい展開になってしまうだろう。
 片割れの斎藤はオーソドックスな右腕。野手顔負けの打力も兼ね揃えているが、本格派としては他校のエース格より少し落ちる。今年の佼成学園は1年生が大豊作なので、下級生からの台頭にも期待したい所だ。
 2年前に日大三高への苦手意識は払拭した。今年は決勝戦への苦手意識を振り払い、全国の舞台へ羽ばたきたい。