【静岡】日大三島、無念の逆転負け…。開幕戦で國學院栃木に3ー10 夏3大会連続初戦敗退にオレ監督「申し訳無い」

◆第104回全国高校野球選手権大会第1日▽1回戦 国学院栃木10ー3日大三島(6日・甲子園)

 春夏連続出場の日大三島(静岡)は国学院栃木(栃木)と対戦し、3―10で敗戦。夏の甲子園初勝利とはならなかった。2回に5番の野口の犠飛で先制。4回には永野、綱島の適時打で追加点を奪ったが、4回以降は失策が絡み、追いつかれると、5回には勝ち越され、流れを取り戻せないまま10失点を許した。物議を醸した聖隷クリストファーの落選、完封負けを喫したセンバツからの起死回生を目指した夏は3大会連続、春夏含めて5期連続初戦敗退で幕を閉じた。

 代打・島田のバットが空を切った瞬間、日大三島の夏が終わった。3―10。春夏連続出場を果たした日大三島の挑戦は開幕戦で幕を閉じ、選手達は無念と表情を浮かべた。オレ監督は開口一番「非常に残念。相手に引き込まれてしまった」。加藤大登主将も「多くの方々が集まって、注目された試合だったけど、そのためにも勝ちたかった」。33年ぶりの夏出場でOBも多く集まっただけに、初戦、開幕戦で姿を消したことが悔しかった。

 序盤は流れを掴んだ。2回にエースで4番の松永が三塁打を放つと、5番の野口の犠飛で先制。4回には再び松永がチャンスメイクし、永野、綱島の適時打で追加点を奪った。松永は投球でも課題の立ち上がりを抑え「流れはウチにあった」(オレ監督)かに見えた。だが、4回に暗転する。1死から連打され、ピンチを招くと、7番打者の打球を遊撃・吉川が失策し、失点すると、その後も捕手・野田の悪送球などで一気に追いつかれた。

 それでも再び流れを取り戻す好機はあった。同点後すぐの5回。無死満塁を作り、クリーンアップだったが、池口は浅い左飛に倒れ、松永、野口も三振に抑えられた。「あれが全て」と指揮官。松永も「2安打した事よりも、あのチャンスで打てなかった事が…」と悔やんだ。完全に流れを失った日大三島は勝ち越されると、その裏に勝ち越され、6回に4失点、8回にも2失点して力尽きた。

 静岡県勢は2018年の常葉大菊川を最後に夏は3大会連続、春夏含めて5期連続初戦敗退となった。「申し訳無いの一言」とはオレ監督。その上で「春は打てないで済ませてしまったが、それは間違いだった」として「メンタル面というのがね。今日も3点獲って守りに入ってしまった。やっぱり縮こまってしまったら、良い結果は出ないということ。ミスはあるけど、それを割り切れるメンタリティーが静岡には足りない」と課題を口にした。

 更に15年前と比較して「言い方は悪いが、全体的に静岡のアベレージは下がっている。S級の選手が県外に、逆に県内、県外にはB級、C級の選手しか集まらなくなっている。これは県全体の問題」と問題提起した一方で「来年以降、結果を出して、魅力のある高校、人間的にも“この高校で良かった”、“この高校に行きたい”というチームを作らなければいけない」と巻き返しを誓った。

 物議を醸した聖隷クリストファーの落選、センバツ完封負けからの奮起を誓った静岡県の2022年は再び不完全燃焼に終わった。松永は「負けは悔しい」としながらも「色々な人達と出会えて、自分の野球人生が変わった。1、2年生は来年も戻って来て、結果を残してほしい」と感謝と同時に後輩たちに託した。