有田工が60年ぶり2度目の九州大会で、待望の初勝利をマークした。
 0−0で迎えた八回1死二、三塁でスクイズ失敗(守備妨害)。しかし、続く1年生の北川が中前に2点適時打を放つなど、この回3点をもぎ取った。
 「指示通りの低い打球が打てた。鳥肌が立った」と北川は満面の笑み。投げてはエース塚本が秀岳館打線を3安打完封。131球の力投に「完封はできすぎ」と塚本は淡々と話した。
 実は1961年秋の九州大会では初戦で高鍋(宮崎)の1年生投手の清俊彦(後にプロ野球西鉄、近鉄など)に大会史上初となる無安打無得点の屈辱を味わわされた。だがこの日は9安打で3得点。二回にチーム初安打を含む3安打と活躍した1年生4番の角田は「僕の安打が60年越しの初安打? 素直にうれしい」と顔をほころばせた。
 梅崎監督も「60年前のことは知らなかった」と驚き、勝利をかみしめた。次戦は海星。「次の試合はレベルの違う海星さん。ただうちは失うものが何もない」。この勢いで春の選抜初出場、2013年夏以来2度目の甲子園を目指す。 (野口智弘)