野手へのケアも指摘
県高野連、野球障害ケア新潟ネットワーク、新潟医福大が行ったアンケート調査で、高校球児の4割超が「過去1年間に痛みがあった」と答えた。
同ネットワーク代表の山本智章・新潟リハビリテーション病院院長は「痛みの程度や期間は不明だが、決して少なくはない数字」とする。その上で「痛みが(故障の)危険信号となり得るか、細かく精査していく必要がある」と指摘した。
県高野連は昨年末に春の県大会限定での球数制限導入を表明。見送りにはなったが、日本高野連の「投手の障害予防に関する有識者会議」の設置につながった。
有識者会議は答申に全国大会での球数制限を盛り込む方針を示し、投手を中心とした選手保護の動きが進んでいる。
ただ、調査では投手に限らず、痛みを訴える野手の姿も浮かび上がった。
県高野連の富樫信浩会長は、練習時のバッティング投手を務めたり、ノック練習の送球で外野から全力投球をしたりするなどの野手の負担を説明。「試合だけでなく、キャッチボールやノックなど普段の練習にも、
十分に目を配る必要がある」と野手のケアの必要性を訴えている。
◎球数制限に賛否割れる
アンケートでは球児の痛みの他、今回の調査の契機となった球数制限導入の賛否についても聞いている。
高校での球数制限導入について「ぜひすべきだ」と「しても良い」が合わせて29・3%だったのに対し、「しない方がよい」は30・8%だった。「高校ではしなくても、小中学生はすべきだ」が20・9%だった。
賛成意見として「けがの予防になる」「たくさんの投手がマウンドに上がれる」などがあった。一方、反対意見は「人数が多い私立が有利になる」「選手自身や指導者が見極めればよい」などの声が上がった。