敗れた後、報道陣からの質問に私は「相手の作戦なので自分は何も言えません」と答えました。
どうして、そんな落ち着いたコメントができたのか、実は自分でも分かりません。仮に私が1年生で5敬遠されてチームが負けたら、同じ気持ちで同じ言葉を言えたか疑問です。
心も体も成長した高校の3年間。指導者、家族、仲間のおかげだと思っています。

 その前年、高校2年で私は高校日本代表の台湾遠征に参加しました。星稜の山下智茂監督が代表チームの監督で、私は4番。
ある試合で、自信を持ってボールと見送った球をストライクとコールされて三振を喫しました。あからさまに不服な態度を示した私は、山下監督から「日本の4番を打っているのだから、そういう態度は見せるな!」と厳しく注意されました。
多感な高校生のときに素晴らしい指導者にめぐり会えました。だから、5打席連続敬遠のような周囲から見たら酷なことも、受け入れられたのでしょう。


林監督も多感な高校生の時に山下監督の指導を受けてれば、相手のサイン盗みぐらい受け入れられただろうに