高野連「秋の地区大会はセンバツ予選の場ではない」

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群馬県太田市立商業高校が選抜高校野球大会の出場から漏れたことで、地元市長が激怒している。日本高校野球連盟を「伏魔殿」と攻撃、情報公開を求める抗議文を送る騒ぎに発展している。その裏事情とは。
一月三一日、春のセンバツ高校野球選考当日、太田市商の野球部員は、グラウンドで朗報を待っていた。「祝野球部センバツ出場決定」の垂れ幕が用意され、「好きなタレントは井川遥」などと書かれた球児のカラー写真付のプロフィールも報道陣に配られた。
決定の瞬間、球児達は帽子を投げ、監督を胴上げする予定だった。ところが、結果は落選、補欠校に。「これではセンバツが泣く」と激怒したのが、清水聖義市長である。
関東(東京を除く)では昨年より一校減って四校になったが、選ばれたのは昨秋の関東大会ベスト4の宇都宮工(栃木)、浦和学院(埼玉)、前橋高(群馬)に、ベスト8の水戸短大付(茨城)だった。
「なぜなのか、全然わからない。太田市商は関東大会でベスト4はベスト8より上に決まっている。強いチームが原則ならば、漏れた理由は一つも見当たらない」。
清水氏は情報公開を推し進める名物市長として知られている。お茶葉代から香典代に至るまで、交際費を市のホームページで情報公開する徹底ぶりで、今回の問題でも選考の経緯を子供たちに説明してやることが教育だと主張、
メールマガジンで「選考過程が公開されなければセンバツは田中真紀子さんがいた外務省と同じ伏魔殿になってしまう」とぶちあげた。関東大会で太田市商が浦和学院にコールド負けしたことと地域性が考慮され、水戸短大付が選ばれたと報告されたことで怒りが増幅した。
「コールド負けはダメ、地域性に配慮するという基準があるなら、前もって公表して欲しい。昨年は茨城から三枚が選ばれているじゃないか」。しかし、高野連の田名部和裕事務局長は「自分のモノサシでしか見ていない。パフォーマンスだ」と反論した。
「センバツは選手権大会ではなく、招待試合です。公開の六項目の選考基準はあるが、細かい基準はなく自由な発想で決めている。秋季大会は、選考の重要な要素ではあるが、順位だけで選ぶのではない。
選考委員五四人が、試合の内容を比較したうえで決めた」。確かに一昨年、近畿大会の初戦で敗れた智弁和歌山が選出され準優勝した例もあるが、市長がいうように、選考経過が不透明なのは否めない。
「選ばれた前橋高には、昨秋の県大会決勝戦で、一安打完封勝ちしている」との思いもある。「同じベスト4なら、前橋高のような進学校からというのかもしれないが、コンピュータが得意なうちのような商業高校ではいけないのか」。
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