和歌山は人口が100万人を切る過疎化と、それを上回るペースの少子化で、野球人口はどんどん減っていってるのだが、
野球熱や運動能力の高い子が高確率で野球をやる傾向は変わっていない(代わりに他の球技は悲惨)ためか、
少年野球、中学野球までのレベルは今も全国上位レベル。
しかし中学では、ボーイズ等硬式チームは相変わらず栄えているが、能力の高い子が軒並み硬式に流れるようになり、
中学の軟式野球部は部員不足とレベル低下に悩まされるようになり、かつては軟式も全国上位クラスだったが今はそうでもない。

硬式ばかりが栄えるようになると、当然、県外の有力私学のスカウトが群がってくる。
約10年ちょっと前から和歌山では有望中学生の県外流出が問題化し、ついに今選抜前に毎日新聞和歌山欄が特集連載でこの問題を取り上げ、
県下の有力野球関係者の意見を掲載した。

これは初めてのことではなく、約30年前、昭和50年代後半の箕島時代終盤から平成の智弁時代に入るまでは、やはり県外流出が問題化して新聞が取り上げたことがある。
ただ当時は子供の数が多かったため、県下高校野球のレベルに致命的なほどの打撃は与えなかった。

今、数だけなら県外流出よりも県外からの流入の方が多いのだが、レベルが違う。
智弁和歌山と市和歌山に来る県外選手以外は、中学で活躍できず大阪の有力私学に行けば出番がない選手たちが、
ただ出番を求めて集まるだけになっている。