山形新聞より

酒田南 延長競り勝つ

九回まで11安打を放ちながら1得点。
さらに九回裏には同点とされる苦しい展開だった。
日大東北を相手に延長十二回の接戦をものにした酒田南の鈴木剛監督は
「何本ヒットを打っても点が入らない苦しさがあった」と息を吐いた。
18安打と「強打の酒南」の片鱗を見せたが、一方で破壊力は影を潜めた。
残塁17と好機を逃し続け、三回の先制点も相手の敵失絡み。
内角攻めで差し込まれる場面が目立ち、鈴木監督は
「打つべきではない球をミスショットしてしまった」と反省点を挙げた。
これまで「打」がクローズアップされてきたチーム。
その中で、この日は191センチ、110キロの大型エース渡辺拓海が抜群の投球を見せた。
直球にスライダー、カーブなど4種類の変化球を投げ分け、六回途中まで被安打ゼロ。
九回一死から同点打を許したが、
「打線が決めてくれる」と信じて12回を被安打5、失点1の堂々とした内容で拙攻をカバーした。
鈴木監督は「崩れそうになりながらもよく踏ん張った」と背番号1の活躍を評価。
その渡辺は「1−0の九回の場面で勝ちきるのがエース」と悔しさをにじませた。
163球を投じた疲れをみじんも見せず
「次も投げたい。明日にでも行ける」。
酒南が「投」の力を示した。