<第90回記念選抜高校野球大会>

 選抜大会本番に向け、日大山形は宮崎遠征(5〜12日)をこなした。重要なメニューが地元強豪校との練習試合だった。特に聖心ウルスラは昨夏の甲子園に12年ぶりに出場するなど上り調子にある。
対戦を11日に終えたばかりの小田原斉(ひとし)監督(44)に聞いた。【聞き手・的野暁】


上位に長打力 投手陣も万全

 −−2試合ともに勝利(3−1、6−1)をおさめました。率直な印象は

 打撃陣はやはり、上位打線に長打力のある選手が多いですね。投手陣は継投策できましたが、しっかりと用意ができていると感じました。
一方で、守備陣には失点につながる中継プレーのミスが目立ちました。個人的な能力は十分にあるのでしょうが、雪国のチームのハンディキャップである屋外グラウンドでの練習量の不足が影響していると思います。

 −−日大山形の荒木準也監督(46)は社会人野球(プリンスホテル)時代の2年先輩です。共に指導者となり、相まみえた感想は

 選手時代は走攻守いずれのレベルも高い外野手でした。ホームランバッターで、本来ならばプロ入りもおかしくはなかった。弱みを見せない強気な性格が一つ一つのプレーにあふれていました。
監督となり、野球に対する姿勢をきちんと伝えているのでしょう。選手たちのプレーを見ているとよく分かります。厳しいことは言うが、愛情がある。

 −−日大山形に学ぶべき点はありましたか

 点差が開いても選手たちは互いに声を出し合い、攻撃でも守備でも、ボールに食らいついてきた。ここぞという場面ではきちんと打つこともできる。
そうした勝負強さ、粘り強さもやはり、荒木さんらしいチームだと思いましたね。

 −−全国大会の公式戦で対戦することもあるかと思います。攻略法は

 佐藤洸太投手(2年)はキレのあるボールを投げる。なかなかに連打を許してくれないでしょう。追い込まれる前にとにかく、積極的に打ちにいく。先制点を奪う必要があります。
打撃陣は左腕、右腕の別を苦にしない。練習試合では勝利できましたが、気を抜くことはできない。非常に勉強になりました。今回の選抜大会には地元からは延岡学園が出場します。母校です。両校とも、良い試合をみせてほしいですね。