タイブレーク、新たなドラマも 八田高野連会長
http://www.kyoto-np.co.jp/sports/article/20180317000071
第90回選抜高校野球大会は23日に開幕する。甲子園で初めてタイブレークが導入されるほか、
京都から乙訓が初出場し、滋賀勢は史上初となる3校が出場するなど注目を集めている。
開幕を前に、日本高野連の八田英二会長(68)に大会に寄せる期待などを聞いた。

−記念大会で例年より4校多い今大会。選考結果の感想は。

 「選抜大会は英語で『INVITATIONAL GAME』。招待試合のことであり、大会は高校野球の意義を実現し、
具体化することに意味がある。21世紀枠の膳所の選出は、大学進学を念頭に置きながら文武両道を目指しても
甲子園に出場できるという強いメッセージになる。滋賀の3校選出は驚きだったと思う。
同枠で選ばれなかった6校は各地区の選考に回る仕組みのため、近畿地区の選考委員は膳所の21世紀枠選出を知った上で
近江と彦根東を選んだ。21世紀枠と地区選考は別という分かりやすい結果となった。滋賀の方々は燃え上がれるでしょう」

 −タイブレークが導入される。

 「監督や審判からは『一生に一度の試合だから最後までさせた方がいい』という意見が強かったが、
昨年の選抜大会での2試合連続再試合で機運が一気に高まった。今夏の地方大会でも導入を決めたのは
『都道府県高野連の判断にすると(加盟校などへの)説明が難しいので、日本高野連が決めてほしい』との意見を踏まえた。
タイブレークは十三回で必ず決着するわけでなく、送りバントを巡る攻防も激しくなるだろう。新たなドラマが生まれると思う」

 −昨年5月に日本高野連は初の女性理事が誕生した。

 「昨年の選抜大会から甲子園練習で女子部員も参加できるようになるなど、高校野球への女性の参加が注目を集めており、
女性理事も必要と考えた。理事会で野球の専門家ではない立場の意見がほしく、タイブレーク導入を議論した際にも意見を出してもらった」

 −選抜は90回、夏の選手権は100回の節目を迎える。

 「大切なのは高校野球を次の世代に引き継いでいくこと。裾野を拡大する試みを続けないといけない。例えば都道府県単位で小中学校、高校、
リトルリーグ、軟式チームが一体となる組織をつくり、新たなプロジェクトを打ち出したりできないか考えている」

 −会長に就任して2年半。現在の心境は。

 「ボランティアとしてやっているのでとてもやりごたえがある。他のメンバーも学校の先生や野球部の監督であり、教育者。
最後は『高校野球は教育や』と全体で一致できる。90回、100回大会は節目になるが、選手の思いはどの大会でも同じ。
常にいいプレーができる舞台をつくりたいと考えている。最高の舞台で、最高のプレーをしてほしい」