>>2つづき

 「日本一になったからこそ、変わらず謙虚に、おごらずにいたい」と冷静に将来を見据える千丸選手は、
先頭打者だった太刀岡(たちおか)蓮(れん)中堅手とともに駒沢大に進む。綱脇慧(すい)投手は東北福祉大、
須永光捕手は国士舘大、高井悠太郎三塁手は明星大、小川恩(めぐむ)右翼手は上武大へ、それぞれ進学予定だ。

 西川愛也(まなや)左翼手は埼玉西武ライオンズ、清水達也投手は中日ドラゴンズに入団する。
西川選手が入団会見で語った抱負も「自立した選手に」という言葉だった。体調管理から自主練習の内容まで
「何をすべきか、常に考えながら実行しないといけない」

 岩瀬誠良(ともはる)遊撃手は深谷組(さいたま市)に入社する。昼は仕事、夜や週末は社会人野球に打ち込む生活が始まる。
「仕事でも野球でも、常に1歩先を考えながら取り組んでいきたい」。就職しても3年間はプロを目指すという。
「もし無理なら……幸せな家庭を作りたい」と笑う。

 今夏、2年生ながら4番に座った野村佑希選手は新チームの主将。「優勝は先輩のおかげ。自分たちのチームを作り、
もう一度日本一をとりに行く」。彼らもまた、過去の遺産でなく自らの力をたのみに、来夏の100回記念大会へ挑む。

 それぞれの道を歩む選手たち。岩井監督が自立を求め続けた理由は、高校野球で勝つためだけでなく、その先にこそある。
「いつかは野球をやめる日が来る。その後の人生も自分で考え、想像して、決断していってほしい。自立した人間は、
今後の人生で壁にぶつかっても、きっと乗り越えられるから」

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