この監督は、教育者でもなければスポーツ指導者でもない、調教師だ。動物を仕込むように生徒に「芸」を仕込んでいるのだ。
自分で考えさせるのではなく、強制的に生徒を絞り上げ、体に覚え込まそうとしている。

昔の軍隊のようでもある。言ってはいないが、鉄拳をふるうこともあるかもしれない。そして「野球馬鹿」を育成しようとしている。
彼らの将来がどうなるかはわからないが、自分で判断して行動したり、自主的に努力するような人はなかなか育たないだろう。また、MLBに行くような超一流の選手は出ないだろう。

この監督は選手を信じていない。また、選手個々のそれなりの目標も尊重しない。ひたすら「勝利」を目指すのみ。

「文武両道」をここまで毛嫌いするのは、自身の経験に照らしたコンプレックスがあるのだろう。

石毛宏典や福留孝介など「野球が楽しいと思ったことはない」と公言する野球人は結構いるが、昭和の野球はそうだったということだ。

この人物の門下からは同じような「野球を世渡りの道具」にする指導者が生まれるだろう。