横浜高校・増田珠の母「いずれ息子の本を書いてみたい」 その1
9/11(月) 7:00配信 NEWSポストセブン

サムライの母親たちは、予選リーグの初戦から日本ベンチ側のスタンドに陣取り、大同団結していた。
中でも、常に母親集団の先頭を歩き、リーダー的存在だったのが、
横浜高校の増田珠(しゅう)の母、美穂さんだ。
予選リーグのある日の試合後に声をかけたら、「今日は“ママたちの宴”がございまして(笑い)」と、
一度は軽快にかわされてしまった。
キューバの練習風景を眺めていた日には、左足と右足で違う色のストッキングを穿いているキューバ選手
を見つけるや、「斬新ね。清宮君には(ユニフォームの着こなしで)オールドスタイルを貫いてほしいわ。
だって日本のベーブ・ルースなんだから」とママたちの前で独特な自説を展開していた。
どちらかといえばクールな野球エリートが集まっている印象の強い同校にあって、プレー中に笑顔を
絶やさない増田の天真爛漫なプレースタイルは、この母の血を継いでいるのだろう。
言葉のセンスが何とも絶妙で美穂さんの仕事が地元長崎の情報誌などに寄稿するライター業だと聞いて
なるほどと得心した。
しかし、母は絶口調でも、W杯における増田のバットは湿っていた。初戦のメキシコ戦、第2戦のアメリカ戦
でヒットが出ず、その後はスタメン落ち。4戦を終えて9打数無安打だった。
9月5日の予選リーグ最終戦の南アフリカ戦では、あれだけテンションの高かった美穂さんがパーカーの
フードを目深に被り、息子が打席に立てば手を組んで静かに祈りを捧げていた。
そして待望の初ヒットが3回に飛び出す。叫び声を上げた美穂さんは、周りに座っていたママたちから
握手攻めに遭っていた。