ウラガンキンは悲劇のモンスターだ。
もともとはウラガンキンは人間であった。
ユクモのハンター、ウラガンキンは村人から英雄と呼ばれ、新天地へと旅立つ。
しかしネコタクの事故で火山で遭難。
火山は灼熱の地獄である。
ギルドに助けを求めるがギルドは危険な火山への救助は不可能とし、ウラガンキンを見捨てた。
かくしてウラガンキンは灼熱の火山において地獄のような苦しみを味わう。
火山の環境のせいで体に変化を起こし、人間とは思えない化物のような姿に変わり果てる。
ウラガンキンは自分を見殺しにし、こんな姿へと変えたギルドへの復讐を誓い、新たな炭鉱夫を待ち続けた。
決して拭えないギルドへの恨みと怨念を胸に抱いて・・・・・・。


こう考えるとKYとも言える執拗な攻撃、妨害行動にも納得がいく。
しかし待って欲しい。彼または彼女の行動は本当に憎しみによるものなのだろうか?


ウラガンキンに攻撃され、HPが0になったとしても我々はネコタクに乗せられ帰還できるではないか
つまり、彼または彼女はこう言いたいのではないだろうか


ここから先は危険だ。欲に駆られて足を踏み入れてはいけないのだ、と


炭鉱夫の諸君。ウラガンキンは敵ではない。
同じ轍を踏ませまいとする彼または彼女の警告なのだ。
恐ろしいモンスターの姿になってなお、心優しき悲劇の先人に敬意を忘れてはならない。
明日は我が身であろう事は想像に難くない。


〜狩りに生きる増刊「炭鉱夫の心得」より抜粋〜