民間との比較で考えた場合の公務員の欠点っていうのはいろいろ出てくるんだけど、
「費用対効果を考えて、自分のやっていることは適正なのかどうか」の確信が持てないところもひとつの欠点だと思う。

例えば、ある会社がある商品を1000円で売っていたとする。
それを買う人がいて、会社は一定の利益を得る。
仮に原価が100円だったとしても、買った人は「1000円の価値がある」と考えたからこそ買ったわけだ。
そういう意味では売る側、買う側が納得した上で関係が成立している。

一方で公務員の予算っていうのは税金から成り立っていて、
税金っていうのは「所得税率x%、消費税率y%」って決められて自動的に徴収されている。
そこから国や県の予算が決まり、A事業にa億円、B事業にb億円といったかたちで配分されていく。

このとき疑問なのは、「果たしてA事業にa億円の価値があるか」ということ。
形式的には国民や県民の代表である議会で承認されているんだから、国民、県民の承認を得たことになっている。
そういう意味では、「県民全体」として、「A事業にa億円配分する価値があると判断した」と推認できる。

しかし、現実問題としてはそうはなっていなくて、
「こんなものにこんなに予算を配分する意味はあるのか」という声が上がったり、
一方で「C事業にc億円っていうのはあまりにも安すぎる」という主張が聞こえてきたりもする。

誰もが納得できる予算配分なんて存在しないのは分かっているけど、
「果たして今の状態がベストなのか?」
「A事業にa億円も配分する価値はあるのか?」
「自分はこんなにもD事業に時間を使っているけど、本当にそれだけの価値があるのか?」
っていうのを考えると、本当に頭が混乱してくる。


民間だったら買う人と売る人が納得の上で契約書を交わして売買するわけだけど、
税金を原資にする役所の事業というのはそうはなっていない。
そういう点で、「本当にこれだけの価値があるのか」という疑問は常について回る。
これが公務員の欠点のひとつかな。