客女「……本当に新作の情報は掴んでるんだろうな?」
従兄「もちもち! 俺が客女に嘘つくはずないだろっ☆キラッ☆」
客女「(……嘘くせー……。まあでもこれで情報逃しても洒落にならんしな)」
従兄「さ、売り逃す前に早く行こうぜ!」
客女「……お前嘘ついたらマジフルボッコ1000%」
従兄「そんなことはマジアリエンティ1000ぱーせんwwwwっとwwwww」

――外

客女「さっむーうううう……最近めっきり冷え込んだからなあ……」
従兄「なあ客女客女!」
従兄がニヤニヤしながら右手をひらひら動かす。
従兄「1.おねだりして手を繋ぐ、2.おずおずと手を繋ぐ、3.強引に手を繋ぐ!」

………………

客女「……………やべー選択肢選び損ねたわー(棒)」
従兄「天下の乙女ゲーマーが聞いて呆れるなwww4.従兄は自ら繋ぎにいったwww」
客女「(ウゼーーーーーーーーwwwwwwww)」
従兄「ってかwwwおっまwwww手www冷たくね?wwww」
客女「うっさいwww寒いんじゃw」
ガチガチと歯と全身を震わす客女を、前かがみで覗き込む従兄
従兄「うははwトナカイみてぇwwww」
客女「マジボッコ1000%」
従兄「サーセンwwwwまあ実際寒いしそこにある喫茶店入ろうぜwww」
客女「(ゲーム買ってさっさ帰りたいんだが……)」
従兄「そしてなんと本日、従兄の全奢りイベント解禁となりました」
客女「なるほど、入ろう」
従兄「(単純萌えwwwwwwwwwwwww)」

――喫茶店

客女「あー……はちみつトッピングが心の氷を溶かしていく……」
従兄「長年のトラウマから解放された客女。ここで初めて従兄の大切さに気づく、辛いときも苦しいときも、思えばいつも従兄が」
客女「私を苦しめていたのだ……。時には勝手に乙女ゲフルコンされ、部屋に無断侵入は随時」
従兄「でもそんな強引な従兄が気になる。これってもしかして……」
客女「怨恨?」
従兄「オイwwwwwww折角のwwww神ゲーの予感がwwwww」
客女「んな神ゲーwwwwオプーナも驚きだわw」

そんなたわいもない話をしながらも、話はつきることのない二人。

従兄「おー客女、見て見て」
客女「んー?」

促されるままに窓の外に目を向けると、街頭の木々が数々きらめいているようだった。

従兄「イルミネーションだ、スゲーキレー」
客女「ほんとだー、もうそんな時期かー」

ぼんやりと窓の外を眺めると、客女が不意に吹き出す。その様子に疑問符を浮かべる従兄。