新潮社 とんぼの本『竹宮惠子 カレイドスコープ』(2016)が部屋にあった
この本、持ってたんだ… 買ったことを完全に忘れていた

48ページに、1973年9月「週刊少女コミック」誌上の「1ページ劇場」に描いた元原稿の画像が掲載されている
なんと、制服にリボンタイのジルベールとセルジュ、それにクラスメイト達がフルネームを添えて描かれている
文章は手書きで、その一部を引用してみる
「私の好きでたまらぬ主人公たちは このままオクラいりするのでしょうか」
「思えば まるまる三年 私の胸ひとつに納まったままなのです ああ!」
「私をホモ趣味とお考え違いのひとたちよ、好きになったら 男であろうと女であろうと よいでは ありませぬか?」
「”ジルベール” の名を覚えていてください きっと描きます!!(執念!)1973. 9. 15」

当時『風木』の構想は、決して漫画家仲間や一部の編集者しか知り得なかったわけではなく、その一端は
一般読者に向けて公開されていたのだった
萩尾さんの『トーマの心臓』が同誌に連載開始されたのが、その翌年のこと
読者が「これ、竹宮先生が描こうとしていた、あの作品と似てるけど……」となるのは自然なことで、
大泉本にあった「噂の出どころ」って、単純にそういうことじゃないんだろうか?
(言うまでもなく、「1ページ劇場」は『トーマ』連載の前年に掲載されたものなので、盗作説を流布する意図などあり得ない)