彼氏と歩いていたら花のようないい香りがしたのよ甘くて爽やかな、でも彼氏にはわからなくて不思議だったの。
その香り、しばらくあたしにまとわりついて、歩いているうちにすーっと消えたんだけど。 

次の日、あたしの父が急死して急いで郷里の実家へ帰ったの。
父が安置されてる座敷に入ったら昨日の香りで満たされてたの。
お線香の香りだったの。
昔ながらの香りじゃなく、ちょっとオシャレでさわやかな花のような香りの。

虫の知らせってやつなのかしら。