勝利の女神はヤクルトに、村上宗隆内野手(19)に、ほほ笑んだ。
3−4で迎えた9回無死一塁、DeNAの守護神山崎の初球をバックスクリーンへ豪快に運ぶ人生初の逆転サヨナラ25号2ラン。
ヘルメットを高々と放り投げてホームを踏み、氷水やハイタッチでもみくちゃになった。
「最高です! 思い切っていこうと思っていた。あの場面で打ててよかった」と汗をぬぐった。
19歳6カ月でのサヨナラ弾は、プロ野球の最年少記録を66年ぶりに更新。打点も78まで伸ばし、10代では86年の高卒1年目・清原(西武)の記録に並んだ。

勝利の女神ならぬ男神? は、ベンチにいた。8月に入って11戦5発と絶好調。実は試合のイニング間で“愛のチュー”をもらう験担ぎをしていた。
ベンチ裏で頬をタオルで拭き「上田さん、お願いします!」。目をつむり、チューをしてもらうと3、4日の中日戦、7日の阪神戦で3戦3発。
「(本塁打量産は)上田さんのおかげと言っても、過言ではありません。(愛の)目覚めはないですよ」。
この日、試合中のチューはなかったが、試合後に上田は「めちゃくちゃしましたよ」と“ご褒美のチュー”をプレゼントした。

最下位に沈むチームで、諦めない気持ちが逆転勝利につながった。
巨人に3タテを食らい、勢いのあるDeNAと対戦しても、最後に意地を見せて今季2度目のサヨナラ勝ち。
村上は「ベンチも諦めずにやっているし、僕もその1人。結果的に僕が打ったけど、みんながつないでくれて打てた」と感謝を忘れなかった。
神宮で、連敗を4でストップ。「勝つことが、1番みんなが喜べる。もっと喜んでもらえるように頑張ります」。
新人王も視野に入る活躍ぶり。チームの勝利のために、“燕のゴジラ”は打ちまくる。

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