路上のシューシャインボーイが今日もいく

多くの人々が行き交う繁華街・四条烏丸。寒空の夜、東急ハンズ京都店(京都市下京区)の店先で、小さな椅子に座った寺島さんが、客と談笑しながら膝の上に載せた靴を磨いていた。

 旅行や洋服など、多彩な話題で場を和ませつつ、手は休めない。約15分後、靴は見違えるようにピカピカになった。

■「行政の許可取ってるのか」「邪魔だ」…水をかけられたことも

 当初は駅の職員や近くの土産物店の店主らから「行政の許可をとっているのか」「通行の邪魔だ」と邪険に扱われた。
 終戦直後に戦災孤児が生業にしていたというイメージからか、年配者からは「そんなことで食っていけると思っているのか」と、水をかけられたこともあったという。

 市役所や警察署に路上での活動許可を求めたが取り合ってもらえず、途方に暮れたが、見かねた常連客が知人を通じて東急ハンズ京都店に交渉、
 場所を提供してもらった。 現在は火・金曜の週2回、同店の前で活動している。

 京都で道行く人の靴を磨き続ける「シューシャインボーイ」の大学生がいる。
 京都産業大4年の寺島直希さん(23)。「お客さんがその日一日を気持ち良く過ごせるように」。確かな技術と気さくな話術で、靴だけでなく客の心まで磨き上げるサービスが信条だ。

 

東急ハンズ京都店の店先で靴磨きをする寺島直希さん=京都市下京区
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