収入印紙4億7千万円相当を横領 懲戒免職の東京法務局元事務官「持病の治療のため必要だった」
13:29

東京法務局の元事務官が約10年間にわたり、約4億7000万円分の収入印紙を盗んでいたことが分かった。法務局が15日、発表した。
元事務官は昨年12月、約29万円相当の印紙を盗んだとして懲戒免職となったが、その後の内部調査で不正を繰り返していたことが判明したという。
告発を受けた警視庁が業務上横領容疑などで捜査している。

 法務局によると、懲戒免職となったのは、民事行政部で法人登記を担当していた天野直樹元事務官(63)。
平成18年1月5日〜28年12月9日、計2778件の登記申請書に貼ることになっていた収入印紙(約4億7293万円相当)を盗んでいた。
過去の登記申請書から処理済みの印紙をはがし、新しい登記申請書に貼る手口で不正を繰り返していたという。

 天野元事務官は法務局の内部調査に対し、「持病の治療のために金が必要だった」と話したという。
法務局は「極めて悪質」として、今年3月に警視庁麹町署に刑事告発していた。

 秋山仁美東京法務局長は「国家公務員としてあるまじき行為をしたことについて誠に遺憾であり、国民の皆さまにおわび申し上げます」とコメントした。