あたし、ブレードランナーをリアルタイムで観たのよ。休日だったけど、客席は閑散としてたわ。
当時は、根暗な高校生で、先の展望もなく、やまずの雨の近未来が、まさにあたしの身近な現実としてスクリーンにひろがってたのよ。
ほかの星で働きたい、こんなすてきなアンドロイドたちの仲間になりたい。って泣きながら観てたんで、よくおぼえてるの。

いまでは時間経過の審美眼でふるい分けされて、名画になったけど、公開時は割と巷間におちゃらけた空気が漂ってたんで、時代に馴染まないのか、ハリソン・フォード主演とはいえ、こけた映画にカウントされてた。

ブレードランナーは輝きを増したけど、あたしは地球にいても働いてないし、アンドロイドの恋人さえいない。根暗は相変わらずで、人生はむしろ、どんなスクリーンよりも真っ暗。

でも、ブレードランナー2046は本当に楽しみだわ。読書に関係なくてごめんなさい。