竜王戦があわら温泉で開催される。会場となる旅館「美松」が2年かけて誘致した。全国から注目が集まるだけに、市や関係者から喜びの声が上がる。
きっかけはコロナ休館中の2020年4月、取締役の前田さんが偶然目にしたネット中継だった。
応援コメントが次々と表示され、大いに盛り上がっている。これだけの引きつける力があることに魅了された。

対局室にはスイートルームを使おうと考えていたが、間取りが条件に合わないことが判明した。
「注目されれば、福井の魅力に気付いてもらえる。地域貢献だと思って腹をくくろう」と、使用頻度が低い宴会場を二千万円かけて造り替えることにした。
こうした熱意は行政も動かした。新幹線開業と市制20周年が重なることから「冠事業」に位置づけイベント企画。県も関連経費として3900万円を確保した。


改装工事は6月上旬に着工する。連盟の助言を取り入れ、カメラを天井に付けられる構造にし、音を抑えた空調設備で静けさを追求する。
「北陸で最も対局に適した環境を用意したい」とし、対局後は貴賓室として利用するほか、アマ大会の決勝戦に提供することも検討する。