志田七段「もう一息」 囲碁NHK杯井山七冠に善戦

 あわら市出身のプロ棋士・志田達哉七段(27)=日本棋院中部総本部=と、囲碁の全七大タイトルを保持する井山裕太七冠(28)
=同関西総本部=との初対局となった十八日放映の第六十五回NHK杯テレビ囲碁トーナメント決勝は、井山七冠の半目勝ちとなった。
県内愛好家らは固唾(かたず)をのんで好勝負を見守った。

 福井市日之出三丁目の福井棋院には、午後零時半の放映開始に合わせて愛好家が続々と集まった。「志田君が優勢や」「井山の反撃が始まった。
いいとこ打ってきたぞ」。志田七段が白番(後番)で勝負が始まると、画面にくぎ付けに。

 志田七段は終盤追い上げたが、井山七冠が僅差で逃げ切って二連覇を達成。国民栄誉賞を受けた第一人者を相手に健闘した志田七段に
「半目までよく盛り返した」「もう一息やった」と会場は沸いた。同棋院師範の秦光生さん(74)=勝山市北郷町東野=は「最後までワクワクする素晴らしい碁。
次は優勝やね」とさらなる飛躍に期待を寄せた。

 日本棋院によると、志田七段のNHK杯出場は二〇一〇年度から七回目で、準優勝は初めて。
小学生の志田七段に指導した坂井棋院の吉岡一実さん(75)=坂井市春江町境元町=は自宅でテレビ観戦。「善戦した。本当に惜しかった」と悔しそう。
「もっともっと活躍を。福井から見守っているよ」とエールを送った。 (北原愛)

http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2018031902000216.html