ID:e2uhYKNUは、昨日の国手は日本語ではないと断言した人間だと思うけど、
「国手」なるタイトルを言い出したものとして一言

名人は紀元前1千年前に遡る書経にも出てくる中国からきた普通名詞と、織田信長が始めた「固有名詞」の2つの意がある。
一方国手は「その技芸で最高のもの」が意味なのであって、唐代に成立した言葉。白楽天の詩とかに出てくる雅な言葉。
名医のことを「国手」とする用法は、朱子が典拠で宋代に成立している。中国でも名人、国手、どちらも使われているんだ。

国手の意味=「名人」は、国手の方が新しい言葉だからそう書いているだけだし、普通名詞としての「名人」の意。

室町〜江戸時代は、日本では漢詩をよむ知識人層は多かった。
だから、大谷吉継の言葉として「家康は国手なり。光成は碁を知らず」という言葉が『慶長遺聞』に残されている
(この時期には固有名詞としての「名人位」などほとんどない)し、江戸期の棋書に『国手伝記』というのがあるし、
沖縄から「国手」が江戸に来て対戦したりすることがあるわけ。

漢詩の素養のない現代では、国手は知られていないけど、江戸期には立派に定着した言葉であることは歴史的事実。

「国手」がタイトルとしてふさわしいと「思えるかどうか」は別の問題だし、個人の感性を議論なんかする気はないんで、
いい加減に「棋院改革」の方に話をもどしてくれ。