・ACE COMBAT エースコンバットアサルト・ホライゾン誕生秘話その一

エースコンバット・アサルトホライゾン開発当時の思い

 エースコンバットは大きく変わらなきゃならない、っていう命題をどう解決するか、スッゲー考えたっけなぁ。
「そのまま豪華にしてくれればいい」っていう、
もともとのユーザーの声だけ反映させればいいという時代じゃなくなっちゃってて、頭をひねって何ヶ月も模索したっけ。
 プロジェクトメンバー内にも
「元のままのゲームシステムでもっとコアな戦闘機ファンが喜ぶような要素や戦略性を強めて……」
みたいな声が多くて、
でも会社からは、「従来のエースコンバットは難し過ぎる。もっと簡単にして多くのお客さんを取り込め」って言われて、板ばさみで大変だった。
あの頃はホントつらかった。
 最近のゲームが苦手なユーザーさんやゆとり世代のユーザーさんは、
どんどんゲームに対して「手軽さ」と「快感」をそれが「すぐに味わえること」を欲していて、
それでいて「プレイヤーを低能扱い」とか「ちょっとでも難しいのはダメ」ときている。
 自分もかねてから、東京ゲームショーやE3の試遊台で、だだっぴろい空とコムズカシい計器類の表示に難しい操作のせいで、
コントローラーを置いてそこから離れちゃう人を見てどうにかできないかと思ってた。
「ゲームに向いてない人やゲームが下手な人でも英雄やヒーローになれる」ものが作りたかった。
 だから、どうにかして、地面に突っ込むのが得意なお客さんでも凄腕のパイロットになれるような、そんなエースを作りたかった。
難易度VERY EASYを選択してもクリア出来ない人たちが居るゲームから大きく脱却したかった。
 なので、アサルトホライゾンの「半オートフォロー」の仕組みを導入した。
これまでのエースでプレイヤーが行っていた機体操作の一部をゲーム側に代行させる事で、
自力で上手く操作する事が難しい人たちでも苦労せずにプレイ可能になった。
そして、上級者の人たちにも半オートフォローを強制させる事で、
上級者と、地面に突っ込むのが得意なお客さんたちとで実力に差が出難くなるようにした。
 その最中にも、旧来のエースファンの一部のスタッフから
「こんなの面白くないに決まってる」ってさんざん反対されたっけな……
見たことも無いのにどうして面白くないってわかんだよ。
っていうか、面白くする努力しようとしないやつはもういいよ!とか思った。
 アサルトホライゾンの製品版が発売され、
地面に突っ込むのが得意なお客さんやゲームが苦手なお客さんに遊んでもらって、
面白いって言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいのでつい書いてしまった。