ヒルダ「はー…」
レオニー「おい、まだ勤務時間中だぞ…バイトでも気合い入れてやれよ」
シグルーン「あらあら、今日はずいぶんのんびりですね」
レオニー「お、お疲れ様です!ほら、シグルーンさん来てるからシャキッとしろって」
シグルーン「まあ少しは良いでしょう、今はお客様もいらっしゃらないようですし…ところで、何かあったのですか?」
ヒルダ「何かっていうか…先週のバレンタインの余韻が…」
レオニー「お前まだ先週の引っ張ってたのか…」

ヒルダ「せんせー、チョコとバターの湯せんできましたー」
ベレト「分かった。卵は溶いたな、次は上白糖を入れて泡立て器で混ぜるんだ」
レオニー「こ、こうかな…」
ベレト「よし、それでいい。次はそれをヒルダが湯せんしたチョコに入れて混ぜてくれ」
ヒルダ「はーい」
ベレト「次はホットケーキミックスを入れてまた混ぜるぞ、そうしたら型に流してオーブンで焼くと…型にシートを敷くのを忘れるな」

ベレト「…出来たな、なかなかの出来じゃないか」
レオニー「へー…本当に簡単に手に入る食材でブラウニーが出来るんだな」
ヒルダ「ねー、これも先生の指導が良かったからだよ。じゃあ…はい、これは先生に」
ベレト「ああ、ありがとう。しかし…バレンタインに贈るから作り方を教えてくれと当人から言われるとは…」
ヒルダ「だってー先生の方が料理上手だしー、だったらもう先生から教わった方がいいかなって」
レオニー「まあ…教わってこれだけってのもあれだから…これ、チョコとは別に…どうぞ」
ベレト「そうか、ありがとう。何か聞いてもいいか?」
レオニー「ああ…ネクタイだよ、先生の仕事ならならいくつあっても困らないだろ?」
ヒルダ「へー、レオニーちゃんやるぅ。あたしからはこれ、あたしが作ったブレスだよ、パワーストーン使ってるからいいことあるよ」

シグルーン「…なるほど、先週のバレンタインが上手くいったことに浸っていたと…」
ヒルダ「えへへ、先生にはお返しはあたしの名前以外必要事項を記入した婚姻届でいいですって言ったら先生も笑ってたし」
レオニー「それ困ってたんだと思うぞ」
シグルーン「それにしてもレオニーさんもなかなかやりますね」
レオニー「え?ヒルダも言ってたけどどういう意味で…?」
ヒルダ「レオニーちゃん、男の人にネクタイあげるってのはねー、『あなたに首ったけ』って解釈もあるんだよー」
レオニー「そ、そうだったのか!?な、何か急に堂々と告白するより恥ずかしい気がしてきた…」
シグルーン「いいじゃないですか、私も先週のことを思い出しますわ…」
ヒルダ「やっぱりシグルーンさんも旦那様に何か特別なのを…」
シグルーン「いえ…例年通りですね。いつも通り少々元気になる成分を入れたチョコを差し上げて一晩中抱いていただいただけで」
レオニー「何か凄く引っかかることが聞こえたような」
シグルーン「大量に作ったので昨夜も熱かったですわ、おかげで今日も快調ですの」
ヒルダ「…シグルーンさんのバレンタインって思い出に浸るどころかまだ続いてますね」