@=N響 A=ロンドンフィル B=都響

 14.戦闘のテーマ〜アレフガルドにて〜勇者の挑戦
 「世界をまわる」の項でも書いた通り、硬派な組曲の中にあってこれだけは
 派手なサウンドで聴かせてほしいメドレーです。それゆえにやはり@は物足りない。
 無難にまとめているだけに聴こえます。もっと足場を踏み外すくらいの危機感がほしい。
 オーケストレーションそのものが派手なので、充分聴けるといえば聴けるんですがねえ。
 Aはアグレッシブな名演。特に「勇者の挑戦」はただ事でない狂乱振りが聴けます。
 トゥッティは凄絶な音だし、打楽器はまるでムチのように慈悲がありません。
 Bも感情の振幅が激しく、思い入れのこもった名演奏でしょう。ただし打楽器の慈悲の無さ加減はAのほうが凄まじい。
 Bにはまだ人間的なあたたかみを感じます。もちろんこの曲ではそれはマイナス要素。