劉備玄徳は諸葛亮孔明に会うまで頭空っぽで何も考えてないっていう脚色は辞めるべき
脚本として100%つまらない
徐州を追われた後の劉備玄徳は、劉備玄徳なりに大計を持って、曹操孟徳に対抗するために漢王朝の血筋による同盟を築き上げるために荊州の劉表景升を頼るんだよ
先々は巴蜀の劉璋季玉も同盟に連判させる算段
そこで初めて諸葛亮孔明が、それだけでは不充分なので天下三分を説く
劉璋季玉は劉璋季玉で、暗愚と言われるのも戦が下手なだけで民に優しくて慕われようと腐心していた点は劉備玄徳とも共通するようにしておく
そうすると接点ができるので、本人ら2人を他所に、周囲が劉備玄徳に蜀を取らせる動きで自体が流れていった形を作れる

それと劉備玄徳と曹操孟徳の対比
せっかく街なんて作って民草も多く配置したんだから、それぞれの治世が街並に現れるようにすればいい
劉備玄徳の治める領地では、発展はそれほどでもなくて身なりも貧しいけど、民草は皆おだやかで暖かい感じで、子供たちは元気に走り回ってる
昔の日本の、お隣さん同士鍵をかけない村社会のようなものが醸し出された町にする
一方の曹操孟徳の治める領地では、宦官支配時や董卓仲穎時代と比べて驚く程治安が良くて、優れた建築と身なりの良いエリートたちの社会にする
許昌の街を歩く子供たちは皆教育が行き届いていて礼儀正しい
だけど、街のはずれには貧民街を作って才ある者が富むという曹操孟徳らしい貧富の差が激しい合理的な社会にして、道で人が倒れても誰も助けず素通りして役人がやっと診療所に引っ張っていく冷たさを醸す
それに劉備玄徳はどうしても納得できない上に、徐州大虐殺のときはリニアでも良いから川に敷き詰められて浮かんだ死体をプレイヤーと共に見せ付けられる描写を入れる
これで劉備玄徳と共にプレイヤーの心に怒りを煽る
それを経て許昌での会食のときに、曹操孟徳に民のことを咎めると、そこで曹操孟徳は徐州虐殺は取り込んだ青州黄巾賊を食わせるための計略であることを打ち明け、許昌を指して合理的な社会のあり方を解いて、天下を統べるのは血ではなく才と言わせ、劉備玄徳の仁の心すら才能として欲しがる素振りを見せる
しかしこれで劉備玄徳は決定的に曹操孟徳と決別して、曹操孟徳から帝を取り戻すためにはどうするかに執心しだすようにする
こうすると劉備玄徳が劉氏族同盟を目指して南下することに強い動機が生まれて、物語が動き出す

と同時に、馬騰寿成もまた漢の主騎でありたいという想いを持たせておくようにする
それが董卓仲穎や李傕稚然らを良しとしない動機や、馬超孟起に正義の言葉を言わせる元になる
その志を継いだ馬超孟起が、曹操孟徳の治める都市に訪れて貧民街で劉備玄徳と全く同じ感想を抱くことで、劉備玄徳に帰順する伏線が生まれるわけだ
曹操孟徳が帝を傀儡にし蔑ろにすることを正すための正義
それゆえに同じ志を持つ父と一族が討たれた復讐を果たすための正義
発展した街並や裕福な民に精強な治安のある街であっても、冷たい街角を生む曹操孟徳の治世を正すための正義
それが、劉備玄徳の志とピタリと合わさるからこそ、馬超孟起は劉備玄徳に心服し帰順できるんだよ

このように丁寧に丁寧に構築していかなければ、良いシナリオには決してならない
人間の行動には必ず理由があって、物語として成すなら、その動機を描写しなければ見る者の心に響かせることはできない

羅貫中が大衆娯楽として面白ければなんでもいいと既に正史を大仰に改変しているなら、こちらだって同じ義理を尽くせばいい
そして羅貫中のように劉備玄徳贔屓や当時の世相に流されるだとか、正史のように政治的に曹操を正統贔屓なんてくだらない偏見なく見られるのは、1800年という遥かな時を隔て、さらに国も隔てて政治的なしがらみ偏見も出ない我々日本人のような超客観的立場だからこそ、全ての登場人物のそれぞれの正義を平等に讃えられる真の三國志を構築できるんだよ
そう。真・三國無双は、三國志に関する大衆娯楽の中で最も面白い真の三國志を目指せばいい
いや目指さなければならない