鎮守府正門前。入った時よりもボロボロになって出てきたゴーヤは最後に赤ごっぱに別れの挨拶をしたいと言ったが、
私は赤ごっぱはまだ寝ている等の理由をつけてそれを拒否してさっさと扉を閉める。
肩を落としてすごすごと去っていくゴーヤ。
その後姿を見ながら、私はこれから赤ごっぱでどうやって遊ぶか期待に胸を躍らせていた。
別に殺すつもりはない。赤ごっぱがちぃちぃ泣き叫ぶ姿が何とも愛おしくてたまらないのだ。
私は赤ごっぱを閉じ込めている部屋のある建物に直行して、部屋の扉を勢いよく開いた。
「赤ごっぱちゃ〜ん、あっそび〜ましょ……って死んでるわ……」



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おまけ
あれからゴーヤは退職金代わりに渡された段ボールを抱えながら町をさまよっていた。
町はずれにあるさびれた公園。そのさらに端の目立たない草むらにたどり着くと、ゴーヤは段ボールを組み立てて中に入った。
どうやらここを住処に決めたらしい。
段ボールの中でゴーヤは今の惨めな状態を一人嘆き泣いた。
鎮守府でのひどい生活でやせ細り、そして何よりも大切だった赤ごっぱも失ってしまった。
それでも健康でさえあればまだ希望が持てたであろうが、こんな体で働ける場所なんて無いのでゴミ捨て場で生ごみを漁りながら生きていくことになるだろう。ゴーヤは絶望的な将来を前にただひたすら泣くことしかできなかった。
その内飢えか病気で野垂れ死にするか、あるいは深海棲艦の陸地への攻撃に巻き込まれて死ぬか。どちらにせよそんな運命しか残っていない。
「ゴーヤの人生って何だったんでちかね……」
ゴーヤは空腹に震えながら呟いた。


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     │   デチの小屋   | │
     |            |/

その後、このゴーヤがどうなったのか知る者は誰もいない。

終わり