その瞬間わたくしの体は分裂を始めました。
わたくしの意識の及ばないたくさんのわたくしが他でもないわたくしの目に飛び込み、
そこでようやくああ、もうおしまいなのだなと考えたのです。

悲しい悔しい寂しい、そのような考えはありませんでした。
ただ、おしまいなのだ、おしまいなのだとその言葉だけが繰り返し繰り返し浮かんだのです。

わたくしの1993年の夏はそうして終わりました