すわ何事と思い、ボイスchに耳を傾ければ、「我奇襲ニ成功セリ」、などとのたまう機あり。
この戦局に、阿呆者かと。馬鹿者かと。
貴隊、奇襲如きでいままで場所も知らぬ真珠湾に飛来とは何事か。様候。
奇襲である。トラトラトラとはいかような意味か。
なにやら特殊潜行部隊も突入の模様。五機連隊十人でなぜ九軍神か。
おめでたき大本営発表なり。
よーし隊長機アラバマ級撃沈!などとのたまう隊もあり。正視に耐えず。
貴隊ら、20mm機関砲くれてやるゆえ早期に飛びされ。
大戦というもの、もとより殺伐としているべき事態なり。
ポツダム会議のテーブルに座った国によって、いつ本土攻撃が始まってもおかしくない、
降伏するか原子爆弾を落とされるか、そのような雰囲気こそ大戦の真髄。
古くさき大和魂は引っ込んでおれ。
時は流れ平成の世、かつての激戦も遠く、平和というものをしばし楽しむ折り、
隣の国、「リメンバー・パールハーバー」、などと狂乱のごとき叫び。
遠き年月をこえ、怒り再びこみ上げる次第。
貴国、「真珠湾」など、いまこの平和の国において流行にあらず。好戦国の戯れ言め。
得意げな顔振り乱し何が、「リメンバー・パールハーバー」であろうか。
貴国本当に「パールハーバー」を「リメンバー」してもらいたいのかと問いたい。問い詰めたい。
ハワイ名物実弾射撃を終えた後、ABCストアの袋を片手に問い詰めたい。
貴国、「リメンバー・パールハーバー」などと言いたいだけではなかろうか。
戦後処理通のこの老体から言わせてもらえば今、戦後処理通の間での最新流行はやはり、
無条件降伏、これにつきるべし。
無条件降伏東京裁判謝罪。これが通の戦後処理なり。
無条件降伏というもの、条件が多めに突きつけられる。その代わり国態は維持。これである。
そこに、東京裁判および謝罪。これ以上の処理は望むべきも無し。
しかしこれを行えば次より朝鮮半島方面よりさらなる謝罪(および賠償)を要求される危険も伴う、諸刃の剣。
呑気この上なきメリケン風情にはお薦め出来ぬこと。
まあ貴殿、予科練1番機は、せいぜいMicrosoft Flight Simulatorで腕を磨くべし。ということなり。