エリツィン大統領の後を襲ったプーチン大統領が、これらのいわゆる新興財閥を一つ一つ潰していったということになるわけなんです。それでエネルギー産業というのは事実上国有化されることになるわけですね。プーチン大統領の考えは、ロシアの富はロシア人が支配するということです。天然資源はね。そういう意味では、愛国主義的と言いますか民族主義的な政策なわけですね。

プーチン大統領はグローバリズムというものの危険を嫌というほど感じ取っていた人なんですね。結局、グローバリズムの名のもとに、外資にロシアの経済を開くと、有力な外資、これはウォール街とかロンドンのシティとか、それからヨーロッパの中心部にいる勢力になるんですが、そういう人たちにロシアの富を奪われてしまうということですね。

ですからグローバリズムには反対すると。いわゆる欧米のグローバル資本がロシア経済を牛耳ることは阻止すると。こういう政策に転換したわけですね。で、先程申し上げました2003年のホドルコフスキー事件というのは、その典型的な例だったわけです。