三島由紀夫が現在の状況を52年前に予言している。
偽善とは民主主義の美名の基に人間の生き方や国の政策に関する意志決定を自分で行おうとせず、
個人と社会と国家のとりあえずの目的を経済成長・金儲けのみに置き、精神の空虚を物質的繁栄で糊塗する態度です。
こんな偽善と詐術は、アメリカの占領と共に終わるだろうと考えていた私はずいぶん甘かった。
驚くべき事には、日本人は自ら進んで、それを自分の体質とする事を選んだのである。
政治も、経済も、社会も、文化ですら。私はこれからの日本に大して希望をつなぐ事が出来ない。
このまま行ったら日本は無くなってしまうのではないかという感を日増しに深くする。
日本は無くなって、その代わりに、無機的な、空っぽな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るであろう。
判り易く説明すると、何の為に生きているのか判らない人間が、ただ金儲けに懸命となり、日本人としての公徳心を失って、
嘘つきで、無責任で、個性の無い悪人となると言う事です。