364 名無しバサー sage 2020/03/08(日) 19:35:41.07
https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohidetoshi/20190816-00138679/
少し難しい浮力の話
 浮力試験の時、吊るすおもりを鉄7.5 kgと表記しますが、理由があります。
鉄7.5 kgと綿7.5 kgはどちらが重いか?という冗談のクイズがあります。
答えはどちらも同じ重さです。ところが、水中では綿7.5 kgは水面に浮くのに対し、鉄は水中に沈みます。
なぜかというと密度(厳密にはかさ密度)が前者で低く、後者で高いからです。もちろん鉄も浮力をもつので、7.5 kgの鉄の水中での重量はおおよそ1 kg減ります。

 頭を水面に出すにはどうしたらよいでしょうか。
人間の体の密度は水とほぼ等しいので、真水だと呼吸によって浮いたり、沈んだりします。
息を吸った場合には頭の先端が水面に出ます。大人の肺活量が4000 ccだとすれば、2Lのからのペットボトル2本分の空気でなんとか頭の先だけが水面に出て、漂うと思ってください。

 では、頭を水面に余裕をもって出すにはどうしたらよいでしょうか。人間の頭の重さは体重の1/10程度です。
例えば小学3年生の体重が27 kgだとすると2.7 kgと推測することができます。
そうすれば、さらに2.7 kgの浮力があればいいわけで、鉄重量換算では3.1 kg以上の浮力がライフジャケットにあれば頭全部を水面上に出すことができます。

 そこに、水難事故時に何があっても沈まないように、少し余裕を持たせます。
すなわち、5 kgの鉄を吊るしても沈まないように性能が規定してあります。
逆を言えば、ライフジャケットを着用することで、自分の肺活量の2倍から3倍の浮力を持つことになります。
肺に空気をためて自ら潜水しようとしても、そうそうできるものではありません。
そこにさらに大きな浮力が加わることになるので、何があっても頭が沈まない、それがライフジャケットの命を守る効果です。