イワナを始めて見たとき、その醜さに驚愕したものです。
彼らは氷河期から、自主的に陸封されて生き延びたのではありません。
結果的に生き延びらなければならなかったのです。
彼ら自身、何も山奥の水たまりに住みたくは無かった。
空腹と岩虫で重くなった胃を引きずり、陸を這いずる。
自分の子や仲間を共食いし、縄張りから他者を追い出す。
それでも生きたい惨めさ。
これは罪を犯した人間が転生した姿に違いない。
イワナを釣るたびにそう思うのです。そして食べて浄化してあげようと。