あれは私が6歳の夏だった。
私の住む小さな町の夏祭りのこと。
境内にひしめく屋台の一角で、ウツボ釣りが大変な人気らしく
人集りがしていた。
私はそのプウルの怪物を一目見ようと
掻き分け入った先で
ウツボ釣りのおぢさんの手を凝視していた。
両手合わせて7本の欠損。
その夜、私は熱が出た。