会計試験板を見るまでは、簿記1級に合格できた事に対して素直に嬉しかった。
優秀な頭とは言えないからこそ、努力したことに自信を持つこともできたのだ。
しかし会計試験板には、俺の持っている資格を一蹴できるような優秀な奴らが雲集していることに愕然とした。
俺の持っている資格全てが「低脳の代名詞」であったことに驚愕し、ショックを受けた。
最初の頃は片っ端から反論していたが、徐々に悟っていった。いや、悟らざるを得なくなった。

「やはり、どう考えても難関資格は相当難しい…俺の資格と雲泥の差がある…」

それからは徐々に自己嫌悪に陥っていったのだ。
いかに自分がぬるま湯に浸かっていたか、周囲に低レベルな人間しかいなかったかを悟った。

「上には上がいる、、、この程度の資格しか持っていない自分が情けない・・」

リアル社会では資格に対して一定の評価を頂いていたが、全てが建前・世辞だったのも悟った。
俺は会計試験板で自分の資格を紹介した時、幾度となくプギャーを浴びせられたが、
それが本音だと思って恥辱・屈辱に耐えてきた。惨めで口惜しかったのは言うまでもない。
画面の前で涙が頬を伝ったことも何度かあった。
だが、その程度の資格と言われても致し方ない事実であり、現実だと今は思っている。

一流の資格を取得できないと評価して貰えない峻厳な世界

俺は難関資格を取得できた時に、ようやく自分自身を許す事ができる。