0275名無しさん@明日があるさ
2019/01/20(日) 12:54:28.720ブルゾンみきおは恥ずかしそうにうつむきます,
しかしサルは、ブルゾンの肩を優しく撫でながら
「もとやまの雪が溶けるのを見たことがあるかい?」
「もとやまの雪が?」
そう答えるやいなや、サルの手がブルゾンのしっぽを柔らかく撫でました。
甘美な痺れに、ブルゾンは思わず声をあげますが、階下のバームやかほこママのことを思い出して、手を口に当てました。
「ほら、もうこんなになってるじゃないか、みきおのもとやまが」
ブルゾンは体をよじって逃げようとするのですが、サルの細くて鍛えられた腕につかまれて、逃げることができません。
「みきお? もとやまの雪を溶かしてみるかい?」
サルがブルゾンの目を見つめています。
ブルゾンもサルの目を見つめています。
二人の眼の中に、二人だけが映っています。
もとやまに、冬の風が吹いていました。