クラインガルテンの殺人 第9回

女児はクラインガルテンの他の棟にある地下室で発見された。
衰弱はしていたものの、地下室には食料や水などが十分に用意されていたようで命に別状はなかった。
女児は血まみれの服を着ていた。
照合の結果、その血痕は殺害された三人の幼児のものと一致した。
しかし、女児の体力では斧を扱うことには難しく、殺害に関与することは難しく思えた。
女児は事件当時のことを聞くと、無邪気にこう答えた。
「おとうさんが、みんないらないって。
おおきなぼうでみんなをたたいたの。」

女児の証言能力について認められ、ハンチング帽の男は緊急逮捕された。

しかし、彼が犯人だとしてもまだ謎が多い。
殺害された男児のこと、そして青年のことだ。
青年の殺害にはハンチング帽の男は完璧なアリバイがある。
その時間は、彼は留置所にいたのだ。

彼は呟いた。
「イクハヤを陥れようとする、アンチの仕業まですねぇ。
ぼくはずっとブログを書いてたのです。
早く、PCを返してください。
ブログを書かないと、ページビューが落ちるので……。」

つづく