時間あたりでみた日本人の賃金が過去二十一年間で8%強減り、先進国中で唯一マイナスとなっていることが経済協力開発機構(OECD)の統計で明らかになった。
企業が人件費を抑制しているのが主因だが、「働けど賃金低迷」の状況が消費をさらに冷え込ませる悪循環を招いている。
賃金低迷は現役世代の困窮を招くだけでなく、年金の支給額の低下にも直結する。賃金反転に向けた政策を打ち出せるかが、日本経済の大きな課題として浮上している。

 OECDは残業代を含めた全労働者の収入に基づき、「一人当たりの賃金」を各国通貨ベースで算出、指数化している。

 二〇一八年時点での日本人の一時間あたりの賃金は一九九七年に比べ8・2%減少。
これに対し、英国(92%増)、米国(81%増)などは軒並み増加している。
物価上昇分を差し引いた実際の購買力である実質賃金でみても日本は10%下がったが、英国(41%増)、米国(25%増)などは上がっている。
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019082990070238.html

主要国の時間当たりの賃金推移
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2019082999070238.jpg