消費増税(前回)を容認した背景

消費増税そのものはニュートラルで、税増収分を100%
再配分に回すのであればある程度の効果はある。
というものだ。

もちろん消費増税には逆進税の性質を持ってはいるが、高所得者も消費はする。消費増税により得た増収分を100%子育て支援や就学支援、職業訓練その他、人的投資に回せば、資金の流れはある程度加速するという読みもあった。

しかし、これまでの税増収の使い道は80%が国債の償還に当てられていた事が分かった。これはれっきとした緊縮財政である。
消費増税初年度だけ特別な財政出動を行ったが、それもその時だけ。その反動と消費増税分の還元がほとんど無かったことが重なって、かなり重度な緊縮財政となってしまった。

ある意味で『異次元緊縮財政』を行ったわけだ。

はっきり言って、金融緩和が効かなかった訳じゃない。
せっかく効果のある金融緩和を、それを利用してかねてから財務省がやりたかった異次元緊縮財政をシレッとやってしまって、その結果が今なのだ、と言いたい。

問題にされるべきは金融緩和ではなく、この緊縮財政が諸悪の根源なのだ。緊縮することにより、各省庁は予算に困窮し、よりそれを差配する財務省の権限が強くなるという構図が出来上がる。

そう、財務省が自らの権力拡大のために、その為だけに、
日本経済を利用している訳だ。思えば日銀黒田総裁も財務省出身である。
彼はこのままインフレターゲットを達成できずに任期を終えれば、ただ財務省の緊縮財政を助けただけの総裁であったと纏められるであろう。